愛は要らないから…
第13章 溢れる想い
「「王様だーれだっ!!」」
カラオケもフリータイムで
もう、飽きたのか合コンみたいなことしてるし…
まあ、俺以外にも参加してない奴もいて
心置き無く断れたんだけどな。
荒井は因みに参加している
本当に楽しんでるわ…
俺も荒井みたいに生きれたらもっといろんな人と関われたり
いい風に思われたり、モテたりするんだろうな
いいなぁって気持ちも確かにあるけど、俺はそんな事思われなくてもいいって
既にまず思ってるからアウトだな
?
手の中で短く携帯が震えた
大和からのメールだ
「まだ?」
大和からの内容はたったそれだけだけど
寂しそうに俺の事を待ってる大和の姿が思い浮かんだ
もう、誰も歌わないし
そろそろお開きにはなりそうだけど…
もう少しで終わるって返しておこうかな
「秋くんも、この中に入って!」
「へ?」
「俺、王様だから」
俺は思ったことをそのまま返信したと同時に
荒井に不意に呼ばれ
へへっと笑いながら荒井は赤いインクの付いた割り箸を見せてくる
「いや、俺はいいよ」
「王様の命令は絶対だよ?」
周りからも、なぜか俺が入るのにウェルカム状態だ…
つか、命令だからか…?
「ほら、早く!」
俺は一番近くの参加者に引っ張られて
強引に参加させられた