愛は要らないから…
第14章 俺のもの
それでも大和だけは自由にしようと
なんとかそっと力を抜くように大和をはなすと
ふらふらと後退りするようにして
ベッドの端に座りこんだ
「いい子」
うつむいたままの俺の頭を大和が撫でた
「こっちみて」
「…え……っつ――」
大和の言葉に応えるように
ゆっくり目線を見上げると、予想していた場所に大和の顔はなくて
その代わりに、ふいに首もとに痛みが走った
「おまじない。一人でも独りじゃないよって。」
大和はそれだけいうと
微笑みかけ、部屋を出た
きっと赤くなってるであろう場所を指先でなぞる
大和が付けてくれた痕は
確かに独りじゃないって思える証だ
独りじゃない…