愛は要らないから…
第14章 俺のもの
「……けよ!どけ!」
俺と男の人は、ううん周りの人みんな
大声に反応して足を止めて視線を奪われてた
「!!……と」
「え?」
「大和…」
確かに
その名の人が俺だけを見て
こっちへ走ってくるのが見える
なんで…
「行くぞ」
掴まれてた手が解けて
その代わり大和の手が…触れた……
「なに、お兄さん酔って…ちょっ!」
「あっ!ごめんなさい。
クリーニング代払いますので…」
引っ張られてすぐさま大和と走ると
追いかけられそうになったけど
誰かにぶつかって
服がコーヒーまみれになって俺らの事は諦めたみたい
お陰で彼がどんどん小さく見えていく
「あっ…」
コーヒーまみれにした人
荒井……
俺にだけ見えるように
やった!といいたそうにイタズラっぽく無邪気に笑ってる
それも小さく、そして見えなくなるまで
二人でとにかく走った