愛は要らないから…
第16章 あの日の荒井
そのまま無理矢理連れてくと
近くにべンチを見つけて座り込んだ
「ちゃんと気持ち言えばいいのに」
「なに?話が見えな…ってか、君俺と話す事あんの?」
「秋くんの事しか無いでしょ?
自分はチャラチャラ、チャラチャラと…いいですね、大学生は遊べて」
「ふーん、そうゆう性格…」
「気が合いそうでしょう?」
「だな…」
そう言うと二人して
いやらしく笑った
「どこまで知ってる?」
「ほぼ全部ですよ。体の関係があることも、秋くんの過去の事も」
「分かってんなら黙ってろよ。これでいいんだから。」
「俺は俺です。消えたりしません。怖くなくなる日まで待ちます。
だからお兄さんが本当にこのままでいいなら
本気じゃないなら奪いますよ
あ…今じゃあんたのもんでもないか」
俺はバカにするようにわざと
ふっと鼻で笑った
「………が…誰が本気じゃないって?」
単純だな
気に食わなかったのか怒りに触れたみたいだ
「秋くんのこと思うからこそ体だけの関係でいいなんて馬鹿じゃないですか?」
「おま「秋くん気付き始めてますよ!お兄さんが好きだって…」」
そう言うとお兄さんは黙りこんだ
「このまま逃げたって過去は一生ついてまわります
乗り越えなきゃ苦しめるだけです
それとも本当に秋くんを孤独にさせるつもりですか?
お兄さんも結局離れるんですか?覚悟無いんですか?」
「…………」
まただんまり
しかもうつむいて…反論すればいいのに
「今一度
何が秋くんのためになるか考えたらどうです?」
俺は席をたちながら離れようとしてるのに
それでも言い返さず黙ったまま
「はぁ…これ。諦めるならいつでも待ってますので」
その場でささっとノートの切れ端に携帯の番号を書いて
それを手に渡して歩みだした
「兄弟揃って…」
あぁ!なんにも言わないしモヤモヤすんなー!
本当にこのままなら奪うからな