愛は要らないから…
第6章 叶わぬ恋
指も動かすことすら億劫な体に鞭を打って
俺は家に帰る準備をし始めた
「本当に他の人としない?」
「しない」
大和は俺の作業を横目に
聞いてきた
絶対しない。絶対に。
「なんかあったらいつでも来いよ」
「まあ、普通に兄弟としてなら、なんもなくても来るかもしんないけど?」
「……うん」
大和は少しだけ嬉しそうに答えた
体で繋がる前からも案外仲は良いつもりだし
ちゃんとギクシャクもせず
もとに戻れそうで良かった
今日からまた快楽に頼らず
元気で過ごしていく
今なら頑張れる、出来そうな気がする
そんな思いを胸に
大和の家を一人出た