愛は要らないから…
第6章 叶わぬ恋
「秋…」
好きな人に、好きな声で、俺の名前を呼ばれて
ピクッと反応してしまう
本当にこの人はずるい……
「こっち見て」
「……っ…」
顔に手を伸ばして優しく触れて
ばっちり見つめ合うようにしてくる
なんにも変わってない…
だめだ…見つめてると
好きって感情がとまらなくなる
「また泣いてる…」
「やめてっ…」
いつの間にか流れた涙を
静也は笑って触れたままの手の親指で拭られる前に
俺は顔をそらした
「……ごめん…」
「もう俺、一人で生きていけるから…」
「秋…」
「海外でいい人みつけて。静也背高いし、海外クラスでもきっとモテるよ」
「なに言って…」「だってそうするしかないじゃん!静也から別れようって言ったんだよ!?
なのに何?最後に好きだよなんて…いくら時間がたっても前に進めなくて、苦しかった…
だから俺は…」
俺はつい、感情的になって
立ち上がって言いたいことをぶつけた
「秋…ごめん……」
静也は俺を後ろから抱き寄せた
「本当にずるい…」
「ごめん…でも、俺も今までずっと好きだった…」
………………
「俺も…
静也が好き…」