
愛のカタチ
第1章 ON~社会人×大学生~交わる心編~
智「同じって、何…」
熱い眼差しを湛えたままで、少し困惑気味の色を浮かべるんだ。
和「こういう事だよ…」
智「ん、和」
言葉で言ったって信じないんだ。
智「まだ酔ってる…?」
首に絡み付いて自分から唇を押し付けた。
なのにこの人は、俺の絡み付いた腕を外そうとする。
和「酔ってないよ」
智「和、ちょ…」
ふざけてないでしょ?
俺だって本気のキスくらいできるんだ。
智「なんだよそのキス」
大野さんの唇に吸い付く俺は引き離される。
そして俺を見下ろすんだ。
智「酔った勢いとかだったら許さねえぞ」
俺を引き離したのに、俺に近付くんだ。
智「こうやんだよ」
和「ん…」
俺に近付いて、熱いキスを落とす。
俺を押さえるその手だって熱くて、唇の端から漏れる息ですら熱いんだ。
智「俺の好きは、これだよ」
和「ん、ふ」
優しく熱く。
熱くて、深く。
和「おおのさ…」
優しいのに激しいんだ。
今まで堪えてたものを吐き出すかの様に、俺を激しく貪る。
和「んぅ、ふ」
智「和」
息苦しくなるくらいのキスだった。
俺の頬を撫でる手は熱くて、俺の頭を掴む手は優しい。
智「本当に逃げなくていいんだな…?」
和「いい、よ…」
俺に入ってくる舌は苦しさを感じる程に熱いんだ。
だけどそんな舌でさえも愛しくて。
智「ずっと、お前が好きだったよ」
和「ん…っ」
首に這わせる舌も燃えるように熱い。
智「ずっと前から、本気のキスがしたかった」
その燃える舌は俺の鎖骨に届く。
熱い吐息を俺の身体に感じさて、俺の震えを誘うんだ。
和「…っあ、は、ぁ」
俺はいつもこの人にくっついてた。
だけど、こんなに心が震えた事は無かったんだ。
智「和…」
この人の熱い吐息だけで。
智「好きだよ、和」
こんなに震えるなんて。
和「俺もだよ。俺も、好き…」
好きと言葉にするのが、こんなにも擽ったいなんて。
