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愛のカタチ

第2章 NO~サラリーマン×花屋~天使みつけた編~



智「ふ...」


藻掻く智の額を押さえ付け、俺は唇を貪る。

紅くてぷるんとした唇。

その唇は俺の予想通りに甘い。


智「っふ、ぁ」


やめろ離せと天使に似合わず煩いから、俺は唇を離さない。


智「ん、っ、やめ」


ガキだから、キスの最中に話すと舌が入って来るなんて知らないんだ。


智「んんっ」


身体を強ばらせ、俺の舌から逃げる。
でも意識がそっちに集中してるから、下半身は無防備なんだ。


智「ん、ぅ」


無防備だったその熱を摩り始めると、身体を捩って抵抗する。
すると途端に口元の意識が逸れ、あっさりと俺の舌に捕まる。


智「んんっ、ふ...」


純朴な天使なんてチョロイ。

藻掻いてはいるものの、その舌も下半身も俺の思うがままだ。


智「んぁ...」


唇の隙間から漏れたその声。
眉を歪ませているのに、うっかり漏らすその声は凄く艶めいて。


和「温かくなって来ただろ?」


体温も上がり始め、あんなに寒そうにしてたのに、その額にうっすらと汗が滲む。


智「っ、は、はぁ...っ」


もう言葉も出ないか。

ゆっくり呼吸をさせてやろうと唇を解放してやったのに、その呼吸は荒くて。


智「っ、あ...」


落ち着かせてやろうと胸を撫でると、身体をビクッと震わせた。


和「まるで天使だな...」


まるで無垢で純粋。

柔らかい光に包まれて、ニコニコと清楚に過ごしてきた。

そんな天使が、初めての刺激に触れたかの様な反応を示す。


和「知らない訳じゃ無いでしょ...」


だけどコイツは生身の人間。

天使の皮を被った、只の男なんだ。


智「カズ、やめ...」


怯えるという事は、何をされるかわかるという事。

何もわからなければ、怯える事すら無いのだから。


智「っ、あ、駄目...」


抵抗する智はわかってるんだ。

俺が何をしようとしてるか。


和「駄目じゃ無いよ」


只の人間なんだからいいだろ。

これが天使だったら、罰が当たりそうだけど。



今日だけでいいんだ。



非現実的な世界を、1度でいいから俺にくれ。







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