
愛のカタチ
第2章 NO~サラリーマン×花屋~天使みつけた編~
天使の秘められた顔が見たい。
まだ見た事の無い、天使の妖艶な顔が見たい。
ただ、それだけだった。
和「あ...」
智「カ、ズ...、っ、く」
ただそれだけで、俺は抵抗する智を掴んで、自分の熱を押し込んだ。
智「っ、は、はぁ...っ」
俺の熱を奥まで押し込まれた智は、息も絶え絶えで青白い顔を見せたんだ。
和「サトシ...」
それで漸く、我に返った。
和「...ごめん、苦しい...?」
智「う、ぁ」
苦しそうなその顔に、俺の何処かにいっていた良心が顔を覗かせた。
智「ふ...」
心配そうに顔を覗く俺を、智はぎゅっと閉じた目を少し開けて、チラッと見た。
智「んぁっ、う、動かない、で...」
俺はなんて事をしてしまったんだ。
取り返しのつかない事をしてしまったと、智の中から出ようとした。
だけど智は動くなと言う。
和「でも、苦しいでしょ...?」
智「だから、動いちゃ、駄目なんだって...」
額から冷や汗を伝わせ、智は浅い息を吐く。
その辛そうな表情に胸が傷んで、どうにか苦しさを和らげてやろうと俺は智の頭を撫でた。
智「ん、ふ...」
すると、歪んだ眉を戻し、智は安堵の表情を浮かべる。
智「は、ぁ...、よかった...」
和「え?」
智「やっぱ、カズは優しいんだね...」
こんなに酷い事をしたのに、俺を優しいと言うんだ。
智「怖い奴なのかと思った...」
和「...優しくなんてないでしょ。どう見たって、酷い奴だよ」
その顔に伝う冷や汗を拭ってやりながら、俺は言う。
智「...やっぱ優しいよ。ちょっと、おかしくなっちゃっただけだよね?」
俺の熱を押し込まれたままなのに、俺にしがみつきながら智は言うんだ。
智「大丈夫。わかってるよ...」
智に身体を寄せ、心配そうに智を撫でる。
その俺の下で、智はふわっと笑うんだ。
カズは本当はこんな奴じゃ無いんだと、本当は優しいんでしょと。
俺が後悔してる事も、全てわかってると、そんな顔をしながら微笑むんだ。
それはまさに、慈愛に満ちた天使の微笑みだった。
