
愛のカタチ
第3章 ON~カウンセラー×生徒~カモフラージュ編~
智「二宮くん」
和「あ」
智「ここでサボっちゃ駄目だって言ったでしょ? 職員室から丸見え」
和「あ~、スイマセンね」
白衣を風になびかせながら先生は屋上に来る。
今は授業中だってのに、暇なんだな。
和「ソッチ行ったんだけど、なんだかお取り込み中みたいだったからさあ。ココしかなかったんだよね」
智「あ」
あ、じゃねえだろうよ。
スクールカウンセラーがそんな事してていい訳?
生徒の信頼なんて得られねえぞ。
智「やっぱお前だったか」
和「...俺が居たのわかってたの?」
智「声でわかる」
じゃあなんで門前払いなんだ。
生徒優先だろうが。
智「...なんでそんな不貞腐れてるの?」
和「別に不貞腐れてなんか無いよ。只、先生なのに何なんだろうなコイツって思ってただけ」
智「ふふ、酷いな(笑)」
あんなえげつない事をしてたのに、笑うその顔はあどけなくて。
智「ほら、行こう」
しなやかな手を、俺にスッと差し出してくる。
和「どこに...」
躊躇う事無く俺の手を掴んで。
智「カウンセリング室。どうせサボるんでしょ?」
これでも教師。
早く教室に戻りなさいとか、当たり前の事を言わない。
ニコッと笑って、俺の手を引いて歩く。
それが、この先生なんだ。
