
愛のカタチ
第3章 ON~カウンセラー×生徒~カモフラージュ編~
民間業者から来てるんだか何だか知らないが、さすがにこんな事学校でやってたなんてバレたら困るだろう。
もう二度と呼ばれないだろうし、会社だってクビになっちゃうんだろうな。
智「俺が何してたか、知ってるの?」
お願いバレたら困るんだ、言わないでなんて泣き落としでもするつもりか。
和「知ってるよ」
智「それは、どんな事...?」
ほら、びびってるじゃん。
和「どんなって…、だから、エロい事でしょ」
智「エロい...?」
俺を伺うように覗くんだ。
そんな大雑把じゃなく、ちゃんと言えと目で言ってる。
和「だから、キスとか」
智「...他は?」
まだ言わせるのかよ。
和「...あんな声出すつったら、アレしか無いじゃん」
俺が言えないとでも思ってるのか。
和「SEXだよ」
言えるし。それくらい簡単だ。
智「ここで?」
和「しらばっくれんなよ」
きょとんと小首を傾げて聞いてきた。
白衣に似合わずいつものあどけない顔で。
智「ふうん...」
と思ったら。
片方の口の端を上げてニヤリと笑って。
智「SEXねえ...」
ギイッと音を立てて、背もたれに深く沈んだ。
肘掛にしっかり腕を乗せて、見下ろすように俺を見る。
次の言葉を探しているのか、その指先はトントンと肘掛けを突いて。
智「漏らさないよう気を付けてたのに、聞こえてたのか...」
とうとう現しやがったな。
智「ふふ...」
不思議なものだな。
本性が見えたと思った途端、その柔らかい笑みが、悪に見える。
優しい顔じゃなくて、コイツは悪い顔をしてるんだ。
