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愛のカタチ

第3章 ON~カウンセラー×生徒~カモフラージュ編~



智「思春期だし、その年齢だったら周りは青春真っ只中でしょ」

和「はあ」

智「いい友人だっているのに、どうしていつもそんな顔をしてる?」


いつも背をまるめて、溜息を吐きながらつまらなそうな顔をしてる。それを俺は見てるんだよと先生は言うんだ。


和「別に、いつもはしてないでしょ」

智「だけど1人になるといつもそうじゃん? 人といる時は無理してるっていうか」

和「無理なんてしてないよ」

智「いつから...?」

和「は?」

智「前はもっと笑ってたでしょ。いつから、溜息多くなった...」


確かに、前はもっと笑ってたかもしんない。
なんだかんだと友達と無邪気に笑ってたような。


智「3ヶ月程前からじゃない...?」

和「3ヶ月?」

智「なにか思い当たる事は?」

和「...んな前の事、わかんないよ」


3ヶ月前って何かあったっけ。
覚えてる事と言えば、あの女が赴任してきた事くらいだ。


智「恋とか興味無いの?」

和「なに急に」

智「それくらいの歳なら興味ない?」

和「ない」

智「そんなのも無いのかよ...(笑)」


お前の同級生は隣接する女子高を覗いて謹慎処分になってる程なのにと、先生は呆れた顔をする。


和「俺の方が真面目でしょ。呆れられる筋合いなんて無いんだけど」

智「まあそうだけどね? でも、それくらいの方が普通じゃん」


俺は普通じゃないのか。


智「何だったら興味湧くんだよ」

和「知らないよそんなの」

智「ったく、SEXには興味あるくせに...」

和「はぁ?」


急に何を言い出すんだこの教師。
あ、先生じゃないけど。


智「何も恥ずかしい事じゃ無いよ。それくらいで丁度いい。てか、そっちのが健全だ」


SEXに興味があると決めつけやがった。


和「興味あるなんて言ってな」

智「...俺の声で、想像したのに?」

和「は...」


だからどうしてコイツは急に雰囲気を変えるんだ。

真面目にカウンセリングをしてたんじゃないのか。


いきなりニヤリと笑って俺を見るんだ。


その笑顔の下に、悪い大人の顔を忍ばせて。



その顔は、柔らかい声を出しても隠しきれてないんだ。





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