愛のカタチ
第3章 ON~カウンセラー×生徒~カモフラージュ編~
ひょっとして先生って、俺の事好きなのかな。
智「さすが若いな。回復が早い」
和「っあ」
いや違うか。
智「ふふ、どうした? さっき触ったのにまだ慣れてないの?」
和「んん、っ」
だって凄くニヒルに笑ってる。
口の端を上げて、余裕の笑みで俺を見てる。
智「ほら、隠すんじゃないよ。その顔が見たいんだから...」
和「っ、や...」
過敏に反応してしまう自分が恥ずかしくて腕を顔に被せると、楽しそうにその腕を剥がして。
ニヤリと笑いながら俺の腕を押さえ付ける。
和「っあ、先生、見ない、で...っ」
智「やだよ」
ほら、こんなの好きだったらしないでしょ。
智「お前のキラキラした目が見たいって言ってんでしょ...」
それでも先生の細めて見てくる目には、優しさが滲み出てる気がするけど。
だけどそれもカモフラージュに過ぎない。
智「耐えろよ…?」
和「え?」
俺だって別に好きな訳じゃ無いとは思うんだけどさ。
智「まだ出しちゃ駄目だよ?」
和「...っ」
何故か1人でする時に先生の顔が浮かんだけど。
だけどそれは、柔らかくて甘いあの雰囲気が好きだっただけで。
和「っ、あぁ...っ、く」
俺の手を取る温かい手が好きだっただけで。
だから、なんだか先生の顔が浮かんでしまっただけなんだ。
智「ほら、我慢して...」
こんなサドな部分があるなんて思いもしなかった。
和「っ、だ、だったら、離して...、よ...っ」
俺が聞いたあの熱くて荒い息遣いは勘違いだったけど。
だけど、あんなエロい声出すんだ、だとしたら顔はどんなだろうって。
想像が膨らんで。
智「...離せないよ。お前の熱い顔が見たいから」
だから興味はあったのかもしれない。
柔らかくて甘い顔の下に、どんな大人の顔を持ってるんだろうって。
いつもの甘ったるい声の他に、どんな熱い声を隠してるんだろうと気になって。
和「んっ、く...、も、もうやめ...っ」
俺の切羽詰まった声を聞いて、先生はフッと笑う。
その漏れた笑いは明らかに大人の余裕だけど。
だけど俺の聞きたい声は違うんだ。
もっと熱くて、荒くて、燃えるような声が聞きたい。