愛のカタチ
第3章 ON~カウンセラー×生徒~カモフラージュ編~
智「大丈夫か?」
和「うん...」
シャワーを終えると、先生の出してくれた新しい下着を履き、俺は服を着て身なりを整えた。
智「コーヒー飲める?」
和「うん」
そこに座れと促されて、俺はソファーにちんまりと座って先生を待つんだ。
智「はい。やっぱココアにしといた」
和「ありがとうございます…」
きちんとお礼を言ってココアを受け取る。
智「あ、それ」
和「熱っ」
智「あっほら。も~、熱いよって言おうとしたんだよ」
何やってんだよと俺の手からココアを奪い取りテーブルにコトンと置いた。
片方の手で俺の手を掴んだまま、床に少し零れたココアを拭いて。
それでふと顔を上げると、その先生の顔は俺の鼻を掠める程に近付いたんだ。
和「っ」
ドキッとしたんだ。
急に目の前に先生の顔が来たから。
胸が跳ねて、ついでに俺まで跳ねた。
智「...なんだよ、どうした? さっきからなんかおかしくないか?」
和「べ、つに、おかしくなんて無いよ」
智「そうか...?」
怪訝そうな顔で俺を覗くけど、おかしいのは先生の方なんじゃないかって思うんだ。
智「熱いから、気を付けろよ?」
和「うん...」
俺はドキドキして堪らないってのに。
だってさっき、ついさっき、先生に抱かれたんだ。
そりゃ挙動不審にもなるってモンだろ。
智「で、さっきの話しの続きなんだけど…」
なのにどうして先生はそんなに普通でいられるのか。
智「ね、聞いてる?」
和「あ、うん」
そうか、大人だからだ。
こういうところにも出るんだ大人の余裕って。
智「お前の興味のあるモノって、SEXだけなの?」
この後に及んでカウンセリングとか。
一体どんな神経してんだ。
和「だからそんなんじゃ無いって」
智「でもいい顔してたじゃん」
和「し、知らないよそんなのっ」
思い出させるなよ。
鼓動が治まるどころか益々早くなる。
智「もっといい顔させたいんだよな…」
和「は...?」
前屈みでソファーに座る先生は、膝に肘を置いて俺を覗く。
顎に手を添えて、物色するように俺を見るんだ。
只それだけの仕草が凄く大人に見えて。
俺の鼓動は落ち着く事を忘れたようだった。