愛のカタチ
第3章 ON~カウンセラー×生徒~カモフラージュ編~
智「前段階ってあるじゃん」
和「へ」
チラッと俺を横目で見ながら話し始めた。
智「何にでもさ、あるじゃん。SEXだってそうだよ?」
和「あ、はい」
急に先生のような風格を出してくるんだ。
智「普通は人を好きになるところから始まるんだよ」
すっ飛ばしたと言うのは、その部分か。
智「好きになって、恋をして」
恋、ねえ。別に今は女にも興味無いし。
智「触れたくなって、キスをして」
先生のくれたキスは、なんだか痺れたけど。
智「それだけじゃ足りなくなって、もっと近付きたい、もっともっとって」
うん。そんな経験は無いな。
智「それで漸く、愛し合うんだよ」
それがSEXと、そういう訳ね。なるほど。
智「お前はそういうの、興味無いの?」
和「無い」
智「...即答かよ(笑)」
呆れた笑いを吐くと、ふぅっと息を吸い込んで俺を見た。
智「じゃあアレだな? お前は只のスケベなんだな?」
和「はっ?」
智「恋もしないのに、SEXだけしたいえっちな奴なんだな?」
和「べ、別にSEXがしたいなんて」
智「興味ありまくりだったじゃん。自分であんなとこ触ってるなんてさ」
和「っ、そんなの、一言も言ってないだろっ」
恥ずかしくて、つい声を荒らげた。
すると先生は俺とは反対に低い声を響かせて。
智「なぁ、お前...、ドキドキしたくなんないの?」
和「え...?」
ドキドキなんて、さっきからしてるよ。
もうずっとだよ。
和「そんなの、別に恋なんてしなくても出来るじゃん」
智「さっきドキドキしてたからか? SEXすれば、ドキドキ出来るって?」
だってその通りじゃねえか。
別に恋なんてものは興味が無いし、今のところ必要も無い。
智「そんなのしなくたって、出来るんだぞ…?」
だから恋をしろと?
好きな奴もいないのにどうやってするんだ。
カウンセラーなら、そこを教えろってんだ。