愛のカタチ
第3章 ON~カウンセラー×生徒~カモフラージュ編~
和「あ...?」
少し眉を下げて、困ったような顔をしたなと思ったら、柔らかい温もりが身体を覆った。
智「ほら、どんな感じ?」
ふわっと、俺を包んだんだ。
和「え...」
智「なんか感じない? どんな、感じする...?」
和「なんか、ほわっとする...」
すると、ぎゅっとその腕に力を込めて俺を抱き締める。
智「じゃあ、これは?」
和「ん...、安心? する感じ...」
智「でしょ?」
ふふっと笑うと、小首を傾げて俺を覗き込んで。
男らしい手で俺の頭をぽんぽんと撫でた。
智「...ドキドキしてる?」
なんかきゅっと心臓を掴まれた、そんな感じがして。
智「ね? たったこれだけでも、胸がきゅんきゅんするだろ?」
俺の鼓動が先生に伝わってる。
そう思うと恥ずかしくて、俺はもっとドキドキするんだ。
智「二宮...」
目を逸らさず合わせてくる瞳に射抜かれて、心臓はドクンと大きく高鳴った。
和「っ、は...」
智「ふふ、太鼓みたいだな」
笑うとまたぎゅっと抱き締めて、俺の背をぽんぽんする。
その時先生の顔は俺の耳許にあって。
柔らかい声が脳に響いた。
智「もっと、痺れたくない...?」
和「シビレる...?」
その声と、耳を掠める熱い息で俺はぼーっとした。
キスすらしてないのに、さっき感じたような頭が痺れる感覚がした。
智「ドキドキしてきゅんきゅんして、胸が擽ったくなるような恋、したいと思わないか...?」
この痺れる感覚は捨て難くて、もっと味わってたい、先生の身体を離して欲しくないな、なんてこっそり思った。
この温もりが心地よくて、ずっと包まれてたい、離れないで欲しいなと思った。
そう思えば思う程にドキドキして。
先生が言っているのは、こういう感覚の事なんだろうか。