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天然執事はいかがです?

第15章 パーティー




それでも心臓辺りがチクリと傷んだ。


"19日には居なくなる"



離れたくない……

早く…今日言わなきゃ……



「お嬢様?どうかなさいましたか?」

「ううん!!何でもない!!」


そのあと私は運悪く父さんに捕まり、様々なお偉いさん方に挨拶していった。



ハーフタイムが始まったので、私は急いでアルトさんの元へ行った。


「アルトさん、ハーフタイムって何してるの?」

毎年サボっていたので、全然分からない。

「うーん…パートナーと抱き合って揺れてるだけですね」


抱き合う!?

土曜日は咄嗟に抱きついちゃったけど、今はムリムリムリ!!!


恥ずかしいよ…!!!



そんな私の気持ちもお構いナシでアルトさんは軽く抱き締めてくる。

私は恥ずかしさのあまり俯いた。

「……ッ」

上から声が降りかかる。

「お嬢様?具合でも悪いのですか?」

「大丈夫……」


私は下を向いたまま、返事をした。



ハーフタイムも終わり、今度はダンスの曲がオーケストラにより、生に演奏される。


私は慣れない足取りでなんとか踊り続ける。

「お上手ですね」

「周りと比べたら全然…ッ!!」


てゆーかアルトさん踊り上手!!



執事でも出来る人は出来るんだ……!!!


…まぁ爺やは盆踊りのエキスパートだったな……


そんなことを思ってる暇もなく、曲はどんどん続く。



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