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天然執事はいかがです?

第15章 パーティー




長かったダンスもようやく落ち着き、私達は離れた。


それでも私はアルトさんの手を離せなかった。



「お嬢様…?」

「ちょっと来て……」

私はその手を引いたまま、バルコニーに出た。



「うわっ…ちょっと寒かったかな…」

さりげなくアルトさんが自分のジャケットを着せてくれる。

「あ…ありがと……」

「いえ。それより急にどうなされたのですか?」


う……

言わな、きゃ……


「あ、のさ……
アルトさん、私にいってないことあるんじゃない?かな…」


本題はこれじゃないよ私…!!

「えっと…その……
すみません……」


謝るってことは……

「やっぱり19日に居なくなるんだ……」

「はい…」

「嘘つき…!!うっ…ヒック……」


私の目からは涙が溢れる。

止まらない。



「お嬢様……!!!」

アルトはあたふたと慌てた。


ふわりと爽やかな匂いが私の鼻をついた。

アルトさん…?


私はアルトさんに抱き締められていた。


「泣かないでください…
私にこんなこと言う資格などございませんが……

ただ、菜月お嬢様に言ってしまったら…
自分が菜月お嬢様と離れるということを認めてしまう気がして……

…すみません……」



最後の方は声が震えていた。


アルトさん、泣いてる…?




私と同じように思い詰めてたんだ……



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