天然執事はいかがです?
第16章 二人きりの旅行
アルトさんが持ってきてくれたのは、アールグレイの紅茶だった。
私はオレンジペコも好きだ。
紅茶を飲んでいると、なんだかアルトさんは何か言いたげだ。
「アルトさん?どうしたの?」
「あ…あの……
実はある事情で23日から26日まで〇〇県に行くのですが…
藤原さんに許可を頂くときに、"ついでなら、お嬢様と行ってきなさい"…と言われまして…」
「へっ?なんで?」
爺やの考えが全く分からない…
「二人きりの旅行に、クリスマスを楽しんできなさいと言われたのです…
奥様からもすでにお許しをいただきました。
あの…私と行っていただけますか?三泊四日の旅行に…」
アルトさんは頬を赤らめ、モジモジとしている。
「勿論行くよ!!でもなんでこんな時期に、〇〇県に?」
〇〇県は結構都市部から離れた謂わば田舎……
「〇〇は私の生まれ故郷なのです。少し用事があるので…」
「そっか…」
用事って何だろう?
「ええ。行きと帰りはどちらも新幹線ですがいいですか?」
「うん!!」
何がともあれ、アルトさんと二人きりの旅行だ…!!
〇〇県は海の幸が美味しいってよく聞くし…!!
楽しみだな♪