天然執事はいかがです?
第16章 二人きりの旅行
初めて恋人のいるクリスマス。
今までは舞弥と俊くんで遊んでたけど、今日は私も舞弥も彼と二人っきりだ。
街に出るとそこら中クリスマスムードでいっぱいだった。
「クリスマスツリーおっきい……!!!」
街に飾られたツリーは私の家のものよりも大きく、インパクトの強いものだった。
「菜月、何かしたい?」
「うーん…」
楽しむとは言ったものの、実際有斗さんの傍にいられれば別に何だって構わない。
「じゃあ…ボーリング!!!
あっ…でもクリスマスにボーリングはイヤだよね…」
立った人差し指はすぐに下に下がってしまう。
「イイね、ボーリング。菜月らしいよ」
有斗さんは優しく笑った。
胸が熱くなった。
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「菜月ボーリングスゴすぎだね…」
「そう?久々だからあんまストライク出せなかったけど」
「あれでまぁまぁなの…!?」
有斗はあまりの菜月の運動神経に絶句した。
有斗は菜月に100以上の差をつけられて完敗した。
決して彼の運動神経が劣っているわけではない。
「あ、帰りにクリスマスケーキ買おう!!」
「そうだね!!やっぱりショートケーキが良い?」
「うん!!」
私達はクリスマスケーキ片手に家に帰った。