天然執事はいかがです?
第7章 波乱の休日
西商文化祭当日
「菜月、アルトさんありがとう♪」
「アルトさんごめんね…」
舞弥のことは置いといて、私はアルトさんに小声で謝った。
「いえ、偶の休息だと思えば、何てことありませんよ?」
アルトさんは笑ってくれた。
そんな優しさが嬉しかった。
てゆーか今日はあんまりアルトさん見れない……
私服姿のアルトさんに私の心臓は猛スピードで動いていた。
カッコいい…
すれ違う女の人はスラッと背の高いアルトさんを見上げた。
やっぱり目立つくらいにカッコいいよなぁ……
いつもは屋敷に居るからこんなことないけど。
「あっ、たこ焼き!!」
「食べよ、食べよ!!」
騒ぐ二人をアルトは後ろから微笑みながら見ていた。
「はい、アルトさん!!」
私はアルトさんの分のたこ焼きを差し出した。
「ありがとうございます、お嬢様」
「ねぇアルトさんは今日休みなんでしょ?
お嬢様ってやめたら?
普通に菜月って呼べばいいじゃない」
舞弥が言った。
舞弥が言うこともわかる。
こんなところで、お嬢様って場に合わない気がする。
「ですが…」
「文句はやってみてから、ね?」
舞弥は強く押した。