天然執事はいかがです?
第7章 波乱の休日
「あ、えと……」
照れまくるアルトさんを私は見上げた。
「な、なつ……
む、無理ですー!!」
アルトさんは頭から煙が出た。
無理なことはさせないのが一番だ。
「ちぇー…
とりあえず、休憩スペース行こッ!!」
舞弥は残念そうに口を尖らせた。
「このたこ焼き美味しい!!」
「超うまい!!」
食べまくる二人と打って変わって、アルトはたこ焼きを見つめたまま止まっていた。
たこ焼きはまだかまだかと飾りの鰹節が揺れる。
「アルトさん食べないの?」
菜月に覗き込まれ、アルトは我にかえる。
「いえ……こういうことが初めてで……」
「初めて?」
「ええ…高校のときも、学業と執事の仕事で忙しく、あまり行事には参加できていないのです……」
「そうだったんだ…」
高校生の頃から、執事として働いていたなんて、私なんかよりもずっとずっと立派だ。
授業も上の空で、赤点を取りそうになる私なんかよりずっと…
「じゃあさ、今日は名一杯楽しもうよ!!」
「はい!!」
「ねぇねぇ、私またたこ焼き買ってくるわ~♪」
暢気な声で、舞弥はまだ外に行った。