天然執事はいかがです?
第10章 縁談当日
縁談とかいいながら、本題は進まず、両家の親同士の話に花が咲いている。
私と相馬さんは黙ったまんま。
これはツラい……
ふと中学の国語の先生に言われたことを思い出す。
当時授業中も落ち着かない私に先生はこう言った。
『お前はいっつも喋り続けるなぁ。お前は、あーなんだ……
あれか?マグロが泳がないと死ぬみたいに、喋り続けなきゃダメなのか?』
その瞬間教室中が笑いに包まれ、私は一日中笑われた。
卒業するまで皆に言われた。
お前の前世はマグロだ、と。
あの時は必死に歯向かって否定していたが、今はどうだろう。
ただただ座ってるのがツラい……!!
黙ってるのがツラい……!!
横目でアルトさんを見ると、手でまぁまぁ…となだめてくる。
爺やも心配そうに私が爆発しないかこちらを見てくる。
……無理、もう限界ッ!!
私は椅子から立ち上がり口を開けた。
「父さん、私外の空気吸ってくる!!」
「…なら、相馬くんと一緒に行くといい。お互いまだ何も知らないだろう?」
…はぁ!?
勝手に違う話してたくせになんなんだよこの人は!?
仕方なく私は相馬さんとその場を外した。