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天然執事はいかがです?

第10章 縁談当日




「あのー…すいません……
父が勝手に……」


適当に外をぶらつきながら、私は謝った。

「いえ、こちらこそ申し訳ないですよ」



会話はこれで終わってしまい、ただただ歩くだけになった。


…超気まずい。

「あの…」

「な…何ですか?」

沈黙を破った相馬さんが訊いてくる。


「何歳ですか?」

「あー…来週の火曜日で17歳になります……」

「じゃあ同い年ですね」

「相馬さんも高2?」

「ええ」

正直言って高2に見えなかった。

童顔なので高1だと思ってた。


なんとも失礼な話だ。


「じゃあさ、タメなら敬語やめない?敬語あんまり好きじゃないんだ。それに下の名前でいいよ」

「あ…うん!じゃあ僕も下の名前でいいよ。
菜月ちゃん婚約の話どう思う?」

「私は婚約したくない…」

「僕も」

「え?」


意外だった。


「父さんが勝手に話を進めてね、すごく焦ったんだ。
僕、その…彼女が居るから」


健くんは頬を赤らめ、そう言った。

「え…じゃあ彼女さんに悪いよ!!!今すぐこの話無しにして…」

「でも僕は父さんに逆らえないんだ…」


悲しげに顔を歪め、健くんは言った。



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