天然執事はいかがです?
第14章 沢渡夫婦
結局ダンスのパートナーお願いできなかったなぁ……
「菜月ちゃん。さっきのアルトくんと踊るなら、お養父さんに一応許可もらった方がいいんじゃない?」
「あっ、そっか……」
口煩くガミガミと怒る父さんの様子が目に浮かぶ……
ガクッと肩を落とすと、姉さんと望さんが手を置いた。
「私達も説得するから」
「行こう?」
「うん!!」
この二人がいるなら心強いものだ。
きっと父さんを説得できる!!………ハズ。
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―――
父さんに言ってみると、予想通り即却下されてしまった。
そこをうまく姉さん達がフォローしてくれる。
終いには父さんは大きなため息をつき、仕方なく認めてくれた。
あとはアルトさんに頼むだけだ…!!
私は姉さん達と別れ、使用人さん達が利用する棟へ向かった。
途中会った使用人さんに部屋を訊き、私はアルトさんが利用する部屋に辿り着いた。
来たのはいいけれど……いざ頼むとなるとキンチョーするなぁ……
私は意を決し大きく深呼吸をすると、部屋の扉を軽く二回ノックした。