嵐しょーせつ。Part2
第112章 記憶
名前を知らない男の子に出会って2週間。
なんだかんだ誰かのために作る料理が楽しくて、毎日充実していた。
男の子は、俺のこと徐々に慣れてきて話しかけるとビックリはしなくなった。
雅「かずー。ご飯できたよ。」
あっ、かずっていうのは、、唯一の所持品であったゲーム機のセーブデータに書いてあった名前。
たぶん、この子の名前に繋がるものなんだな。
和「、、いただきます、、」
2週間前、痩せ細っていたかずは俺の料理を食べて徐々に回復していった。
雅「ふふっ美味しい?」
和「はい、、」
でも、一度もかずから笑顔を見たことない。
何か怖い現実があって、逃げ出したかったんだろうなって。
雅「かず。明日さ、俺お休みだから、好きなところいこ?」
和「え、、、」
雅「そしたら何か思い出すかもしれないし、ね?」
和「、、はい、、」
明日は仕事がお休みだから、かずと一緒に出かけることにした。
車を運転する俺の隣はかず。
かずは身を乗り出して街並みを見ていた。
雅「どーした?」
和「、、え、、いや、、、こんな街みたことなくて、、、」
かずは田舎から来たのかな?
こんな街って、、、
雅「あっ、かず。寄りたいところあるんだけど、いい?」
和「、、はい。」
俺はある場所へかずを案内した。