
浮気性のカノジョ
第4章 ラブレター
キィ…とドアが小さく軋む。ドアが重く開けにくい。建付けわるいなぁ相変わらず、と悪態を付きながら広い屋上に出た。……が。
「誰もいないじゃん……」
広いから見つからないのかと思って、ドアの反対側に向かうと、巷で噂の同級生が立っていた。
「あの、これ入れたのあなたですか?」
「あ、来てくれた。よかった」
「で、モテ男のあなたが私に何かご用ですか?」
「ふふっ、大人しい子だと思われてるけど、ホントはけっこう生意気だよねぇ」
「…差出人も書かれてない手紙があったら普通に怪しいと思うんですけど」
なに、こいつ。ちょっと腹立つな。
この男の名前はあまり覚えてない。覚えているのは、学校で有名なモテ男だということと、隣のC組だということだけだ。
「ちょっと見てほしいものがあってね」
「…早く終わらせてもらっていいですか」
「君にとって関係が深いことなのに…しょうがないなぁ」
さらさらとした髪質の黒髪を少しイジりながら楽しそうに言うモテ男。左側の髪の毛を耳に掛けていて、何本かのピンで留めている。オシャレには煩そうだなと思った。私の嫌いなタイプだ。
ふふっと笑うと、胸ポケットから写真を取り出した。その笑い方は柔らかく、笑顔も素敵だから、これにやられた女生徒も少なくないだろう。
「……っ、これ、」
「見覚えあるよね?」
「なんで、私だってわかって、」
「勘いいんだよねぇ、俺」
くそ、と下唇を噛んだ。学校のひとにばれないようにしていたのに。見せられた写真は、昨日の私だった。隣には高田さんも写っている。
「これって援交だよね?」
「……そうだよ」
「ふーん…、まあ、言う気はないから安心してよ」
「え、…言わないでくれるの?」
「うん、君が、俺に体をいじらせてくれるなら、ね」
やっぱりか、と溜息をついた。そんな気はしてた。お決まりのパターンじゃないか。でも……
「誰もいないじゃん……」
広いから見つからないのかと思って、ドアの反対側に向かうと、巷で噂の同級生が立っていた。
「あの、これ入れたのあなたですか?」
「あ、来てくれた。よかった」
「で、モテ男のあなたが私に何かご用ですか?」
「ふふっ、大人しい子だと思われてるけど、ホントはけっこう生意気だよねぇ」
「…差出人も書かれてない手紙があったら普通に怪しいと思うんですけど」
なに、こいつ。ちょっと腹立つな。
この男の名前はあまり覚えてない。覚えているのは、学校で有名なモテ男だということと、隣のC組だということだけだ。
「ちょっと見てほしいものがあってね」
「…早く終わらせてもらっていいですか」
「君にとって関係が深いことなのに…しょうがないなぁ」
さらさらとした髪質の黒髪を少しイジりながら楽しそうに言うモテ男。左側の髪の毛を耳に掛けていて、何本かのピンで留めている。オシャレには煩そうだなと思った。私の嫌いなタイプだ。
ふふっと笑うと、胸ポケットから写真を取り出した。その笑い方は柔らかく、笑顔も素敵だから、これにやられた女生徒も少なくないだろう。
「……っ、これ、」
「見覚えあるよね?」
「なんで、私だってわかって、」
「勘いいんだよねぇ、俺」
くそ、と下唇を噛んだ。学校のひとにばれないようにしていたのに。見せられた写真は、昨日の私だった。隣には高田さんも写っている。
「これって援交だよね?」
「……そうだよ」
「ふーん…、まあ、言う気はないから安心してよ」
「え、…言わないでくれるの?」
「うん、君が、俺に体をいじらせてくれるなら、ね」
やっぱりか、と溜息をついた。そんな気はしてた。お決まりのパターンじゃないか。でも……
