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浮気性のカノジョ

第6章 彼との行為

「あ、来た」

「…こんばんわ」

「晩飯食った?」

「あ、忘れてきた」

「じゃあ俺もまだだし、ここで済ますけど、いい?」

「うん」

…あれ、意外と話せるやつだったりする…?若干絆されている気もしたがまあいいや、と席について彼が差し出したメニュー表を受け取った。

喫茶店、とは聞いていたけど…。まるでレストランのようなメニューだ。オムライスにグラタン、ハンバーグやステーキなどのメニューも載っている。彼がもう店員さんを呼んでいたので、美味しそうだったオムハヤシを注文した。

「というか、前と全然口調が違うんだね」

「まー、みんなの望む王子様みたいなキャラ付けはお前は望んでないし、わざわざ笑顔振りまく必要もないしなー」

「…いつもの顔は仮面ってわけね」

「演じてるって実感はないけどね。昔から持てはやされてきた結果がこれなわけだし、むしろモテるからありがたいけどね。…その代わりに誰も俺の中身を見てないけど」

「……そ」

最初に彼のコーンスープを店員さんが持ってきた。彼は少し会釈をした。けれど、笑顔ではなかった。店員さんに対する態度はいいのか、と少し見なおした。

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