もっと♡
第4章 朝も昼も夜も
「璃子ちゃん、ちょっと。」
練習の後に拓海先輩に呼ばれた。
「はい?」
「ちょっと背中、マッサージしてくれない?」
へっ?マッサージ?
拓海先輩は、私が返事をしていないのに、こっちこっちと言いたげに、私の手を引く。
「先輩、どこに行くんですか?」
「保健室。この時間、誰もいないから。」
「えっ、あの、その……」
「選手の言うことは絶対でしょ?マネージャーさん。」
……実は強引な人なんだろうか?
体育館は離れにあるので、渡り廊下を通って、本館の校舎へと歩いて行く。
私は手を振りほどけるはずもなく、後ろからついて行くしかできなかった。