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第1章 SO~小人×一般人~進撃の小人編~
智「おお...」
俺にミラクルが起きた。
智「やれば出来るじゃんか」
1晩かかったけど、材料を突き止めたんだ。
智「俺すげえな...」
だけどコレは。
智「こんなのどこで集めんだ...」
ゲテモノ揃いだ。
翔に言ったら、きっと吐く。
翔「...はっ」
智「あ」
翔「えっ、もう朝!?」
翔に見られないよう、パソコンを閉じた。
智「おはよ、翔くん」
翔「おはよ...って、まさか貴方。寝てないの...?」
智「や、寝たよ」
翔「...ごめん」
智「だから、寝たって」
俺の言葉を全く信じない翔は、疑いの眼差しを向けた。
智「疑り深いな...」
翔「だって、クマ」
ベッドに転がった俺の頬に手をつき、俺の目の下の隈を撫でる。
智「あ...」
翔「そんな無理しなくていいのに」
智「無理じゃないよ。ちょっと夢中になっちゃってさ」
翔「もう...」
小さな溜息を吐きながら、俺の下瞼をスリスリと擦る。
チラッと目を向ければ、その顔は心配そうで。
智「ふふ、ありがと」
翔「こっちの台詞だよ」
そう言いながら、翔は呆れたようにふわっと笑みを零した。
智「...翔くんも、優しい顔してる」
翔「え?」
智「俺の事、優しい人だって言ってくれたでしょ? 翔くんも、優しい顔して笑ってるよ?」
翔「え、そう?(笑)」
智「うん」
照れたような、驚いたようなその笑顔も柔らかくて。
元に戻してやるのが惜しく感じてしまったけど、戻れなくて悲しい顔をする事はさせたく無いと思った。
智「朗報だよ」
翔「え?」
智「わかったよ。材料」
翔「...え、本当!?」
ほら、喜んでる。
無邪気にきゃっきゃと笑ってる。
智「小さいと大変だから、材料集めは俺がするね」
翔「あ、ありがとうっ!」
翔のキラキラと光る目は、少し涙を溜めているのかもしれない。
それ程までに喜んでくれるのなら、俺は翔の助けになろう。