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第1章 SO~小人×一般人~進撃の小人編~
材料集めに時間がかかるかと思ったけど、意外と簡単に集まりそうだ。
智「ネットって便利だな...」
どこで調達すればいいかも分からないような材料でも、その名を検索にかければすぐにヒットした。
しかも家に居ながら簡単に買えるときた。
翔「ところで、材料って何だったの?」
智「まぁ、漢方みたいな感じのものが多いかな」
翔「そんな簡単に作れるんだ...」
あんなに研究を重ねていたのにそんなに簡単に作れるとはと、翔は肩を落とした。
智「翔くん、たまにそれやるけど」
翔「うん...?」
智「やめた方がいいよ。矢印と間違えそう」
翔「矢印...」
また肩を落とした。
やっぱりそんな翔は見ていて飽きないんだ。
智「超早便で頼んだから、もう少し待ってね?」
翔「うん、ありがとう」
材料集めが困難なら、この小さな翔ともう少し長くいられると思った。
だけどそんな俺の考えは浅はかで。
こんな便利な世の中だ。
手に入らない品なんて、そうは無かった。
智「ふぅ...」
翔「...疲れた?」
智「え?」
翔「ごめんね? 休んで」
見上げて話すのは首が疲れると言うから、俺はベッドに転がってた。
その俺の胸の上に翔を乗せ、会話をする。
智「別に疲れてないよ?」
翔「でも、寝てないでしょ?」
俺の小さな溜息を翔は聞き逃さない。
俺の胸にちょこんと正座をする翔は、俺が空気を吸い込んだだけで上下するんだ。
智「や、ちょっと残念だなぁと思っただけだよ」
翔「残念?」
智「ふふ、なんでもない...」
目を細めて笑う俺を、翔は少し心配そうに覗く。
翔「やっぱ眠いんでしょ? 目がとろんとしてる...」
そう言って俺の胸をトントンと叩く。
だけどそれは痛くも痒くもなくて。
智「何してるの?」
翔「や、あれ?」
もっと力入れなきゃ駄目なのかと、ブツブツ言いながら渾身の力で俺をトントンした。
翔「寝ていいよ」
俺を寝かし付けてるつもりだったのか。
小さな翔は、俺の上で汗をかきながら必死にトントンするんだ。
その姿が微笑ましくて、目を細めた俺は心地好い眠りに誘われた。