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第1章 SO~小人×一般人~進撃の小人編~
智「明日には、届く筈だよ」
翔「超早便って凄いな」
メシも食ったし風呂にも入ってやる事の無くなった俺達は、ベッドにいた。
智「今日頼んだとこなのに...」
翔「ね」
どうしてそんな早便で頼んでしまったのか。
焦る翔が可哀想だったし、早く完成させて喜んだ顔が見たかった。
だけど今日の明日だ。
あまりに早すぎて、気持ちの整理をつけるのが大変そうだ。
翔「...どうかした?」
智「いや...」
俺の隣に転がる翔を見てた。
翔「寂しそうな顔してる...」
智「え?」
翔「...やっぱり、結婚の事?」
そんな顔してたのか。
確かに数日前に振られて、俺の思い描いていた生活は泡の様に消えてしまった。
だけど、翔と横になっているたった今は、そんな事頭に無かったんだ。
智「いや、違うよ(笑)」
翔「無理しなくていいよ...」
本当の事を言っただけなのに。
翔はしょんぼりするんだ。
翔「そんなすぐ忘れられる訳無いんだから」
横になって布団を被ってるから分からないけど、きっと矢印みたいになってる筈だ。
翔「でも大丈夫。智くんは素敵な人だから、きっといい人が見つかるよ」
智「本当に違うんだけどな...(笑)」
俺が傷心だと思ったのか、翔は少し意気込んで話すんだ。
俺を慰めようと、励まそうとしてくれる。
翔「今は寂しいだろうけど、さ」
智「...うん。そうだね、少し寂しいかも」
俺のぽっかり空いた穴にスッと入って来たんだ。
おかげでほら、傷心の事なんてちょっと忘れてた。
翔「ふふ、ほら。無理しないで」
智「うん...」
だけどその穴を埋めてくれた翔が、さ。
翔「貴方の笑顔は素敵なんだから」
智「素敵ってなに(笑)」
翔「それだよ」
元に戻っちゃうんだろ?
俺の事なんて、必要じゃ無くなるんだろ?
智「惜しいな...」
だからつい、明日が来なければいいのにと思ってしまうのかな。