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第1章 SO~小人×一般人~進撃の小人編~
智「メシ、食べる?」
◇「もう腹ペコ」
俺もシャワーを済ませ、出てきたら小人はすこし元気が無さそうだった。
智「好き嫌いある?」
◇「なんでもいいよ。贅沢は言わない」
親切にして貰ってるのだから、我が儘なんて言えないと言う。
智「はい、どうぞ」
◇「いただきます」
小人はテーブルの上できちんと正座をし、手を合わせる。
◇「んまっ」
礼儀正しい小人なんだなと感心してたら、堰を切ったかのように無心でメシを頬張った。
◇「んほっ、げほ、ほっ」
智「そんな急いで食べるから」
◇「ぐふっ」
智「あ」
喉を詰まらせたのかと、背をトントンしてやろうと思ったんだ。
なのに、トントンのト位のところで、小人は吹っ飛んだ。
智「ごめん」
◇「つ、強いよ」
小さなカップなんて無かったから、スプーンにお茶を入れて口に運んでやった。
◇「がぼっ」
智「あ」
◇「お、多いよ」
スプーンのお茶で溺れかけた。
◇「ふぅ、腹いっぱい。ごちそうさま」
気を取り直した小人は再び無心でメシを食い、腹いっぱいと手を合わせてごちそうさまをする。
その姿が不思議で可笑しくて、俺は知らないうちに微笑んでいた。
◇「あ...」
智「ん?」
◇「凄く、素敵な笑顔するんだね...」
智「え、俺笑ってた?」
◇「うん。ふにゃって。貴方はきっと、優しい人なんだね」
優しい人なんだろうねと小人は言うんだ。
今日初めて会ったのに。
俺の事を何も知らないのにそんな事を言うんだ。
智「ふふっ」
◇「あ、ほら。それ」
智「ええ?(笑)」
嬉しいような、照れくさいような。
そんな笑いを、俺はうっかり漏らした。