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第2章 SO~研究員×小人~逆襲の小人編~



智「で、なに。コレどういうこと」


智くんをテーブルに乗せ、俺は床で正座していた。


翔「や、あの、だから...」


胡座をかいてふんぞり返っている。


智「取り敢えずニヤニヤすんのやめてくれない?」


やば。
顔に出てたか。


翔「だって、可愛い...」

智「はぁ?」

翔「いえ、なんでもっ」


小さくなった智くんは、心まで小さくなってしまったようだ。
俺が小さい時は、こんなぷりぷりした顔見せた事が無い。


智「で?」

翔「あ、あの、栄養ドリンクの瓶に、小さくなる為の薬の残りを...」

智「は?」

翔「い、入れてました...」


タオル地のハンカチを纏って俺を睨む。
その姿は愛おしい以外の何者でもない。


智「...取り敢えず、服」

翔「それが」

智「なに」

翔「大きくなった時に破れちゃって...」


俺の正座する横には、ビリビリになったゴミのような服。


智「はぁ...」


溜息を吐かれた。


智「もういい」


くるっと後ろを向いて怒ってる。
だけど、このままにしておく訳にいかない。


翔「...取り敢えず、お風呂に...」

智「...」

翔「まだ、お腹ベタベタでしょ...?」

智「...」

翔「それに、ちゃんと洗っとかないとローションが残ってたらお腹痛くなっちゃうよ...?」

智「...お前のせいでしょ」


後ろをチラッと振り返り、ギロッと睨む。
しかも“お前”と言われてしまった。


翔「すぐ終わるから、ね?」


ムスッとしている智くんを摘んで掌に乗せる。
俺の掌で胡座をかいたまま運ばれた智くんは、俺と一緒にそのまま風呂に浸かった。


翔「気持ちいい?」

智「...」


微動だにしない智くんを泡で包む。


翔「よし、じゃあ後はここだけだね」


俺は新しいスポイトを取り出し、精製水を吸い上げた。
それを、智くんがぎょっとした顔をして見てしまった。


智「なっ、なにすんだよ」

翔「ほ、ほら、暴れないでっ」

智「そんなの無理だって! 結構デカいんだよっ」

翔「だって指入らないでしょうっ」


結局は智くんを捕まえなんとか洗ったけど。


智くんの機嫌は益々悪くなったんだ。







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