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第2章 SO~研究員×小人~逆襲の小人編~
智くんはリカちゃんを小脇に抱えてリカちゃんハウスへ入る。
タオルをマントのように纏った智くんはまるで王子様で、ドレスを着たリカちゃんはまるでお姫様だ。
翔「...本当にそこで寝るの?」
智「だってベッドあるじゃん」
ダブルサイズのベッドは適度な大きさで、リカちゃんと智くんが一緒に入っても十分だった。
翔「え、本当に一緒に寝るの?」
智「悪い?」
リカちゃんをベッドに引き摺り込み、智くんは隣りに寝る。
まるで抱き枕のようにリカちゃんに絡むと、俺をチラッと見た。
智「見ないでよね」
翔「いや、だって」
壁は開いてるし、やっぱうっかり見ちゃうでしょう。
智「このドレス、ゴワゴワする」
リカちゃんのドレスの肌触りが悪いのか、智くんはリカちゃんの上に覆い被さる。
ベッドのシーツから覗く智くんの背は、タオルなんて纏っておらず月の光に照らされて艶めいて見えた。
智「ちょっとごめんね…?」
リカちゃんに言うんだ。
優しくリカちゃんに言うと、智くんはリカちゃんの背に手を回し、マジックテープをペリペリと剥がす。
翔「ごくり...」
やべ。
生唾を飲んでしまった。
だって俺の前で繰り広げられるその光景。
智「結構スベスベなんだ」
リカちゃんの肩に触れて、肌触りがいいと呟く。
智「...はい。できた」
ベッドからリカちゃんのドレスをぽいっと投げ捨て、智くんはまたリカちゃんに絡むんだ。
スベスベの触り心地が気に入ったのか、リカちゃんに身体を寄せて。
智「...まだ見てたの?」
翔「はっ」
目なんて離せなかった。
だってシーツから覗く艶めいた肩は凄く色っぽくて。
まるで王子様とお姫様の寝室を覗き見しているような気分になったんだ。
智「...リカちゃん大丈夫だった? 翔くんに変な事されてない?」
大事そうに頭を撫でる智くんからは優しさが滲み出てて。
翔「し、してないってば」
智「どうだか」
俺をからかってるんだろうとは思ったけど、目の前で繰り広げられるその少し妖しい光景に、俺は思わず息を飲んでしまったんだ。