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第2章 SO~研究員×小人~逆襲の小人編~
智「徹夜したの?」
翔「ん。ちょっとね...」
リカちゃんを抱っこしたまま眠りについた智くんを見届けて、俺はまた調べ物をした。
精液が駄目なんだったら代わりになる物は無いかと、必死で探したんだ。
智「...そんなに頑張らなくてもいいのに」
翔「だって、休みももうすぐ終わっちゃうでしょ?」
智「そうだけど」
智くんは情けない顔をしてる。
俺の疲れた顔を見て、心配してくれているのだろうか。
智「イケメンが台無しじゃん」
翔「へ?」
智「ごめんね…」
そう言って俺の前に立つと、俺の頬を摩る。
そして少し伸びをして、小さな口でちゅっと俺の頬にキスをした。
智「ありがとね?」
何今の。ひょっとしてキスか? と俺は智くんを見た。
翔「へ...」
智「お、お礼だよっ」
恥ずかしそうに言い放つと、智くんはこれまた器用にテーブルを滑り降り、リカちゃんハウスに戻って行った。
翔「ふふ...」
智「なっ、なんだよ」
翔「や、べつに」
智くんの心境に何か変化があったのかもしれない。
只の気まぐれかもしれないけど、自らキスをしてくれたのは本当の出来事だ。
翔「うふふ」
智「きも...」
本当に気持ち悪いのかもしれないけど、それも只の照れ隠しなのかもしれないし。
翔「さあ、行こうか」
智「徹夜したのに元気だな...」
にこやかにポケットを広げる俺を見て、智くんは呆れ顔をする。
でもその表情は、自惚れでなければ俺にはやっぱり照れ隠しにしか見えないんだ。
翔「今日はちょっと早めだから、ラッシュは随分マシな筈だよ」
智「はいはい...」
翔「ふふ」
今日は朝から気分がいい。
昨晩怒らせてしまったから、早く機嫌を直して欲しくて徹夜した甲斐があった。
まだ新しい薬は見付けられなかったけど、俺のポケットで揺られている智くんはとても穏やかな表情をしているのだから。