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第2章 SO~研究員×小人~逆襲の小人編~
翔「ねえ智くん」
智「ん?」
翔「やっぱ無理だよ」
智「ええ~?」
無事に仕事を終えて自宅に着く。
俺は料理が出来ないから、買ってきた弁当を2人で分けて食べた。
智「俺あんなの飲まないよ?」
翔「でも、それしか方法が」
もう休みも残り僅かだ。
俺は急いで薬を作らなきゃとパソコンとにらめっこをしていた。
翔「鷹の爪? だっけ。調べたら在庫あるらしいからさ」
智「マジで?」
翔「だから注文しようよ。じゃないと、本当に戻れなくなっちゃうよ?」
智「う~...」
智くんも俺の隣でパソコンを見ている。
それで腕を組んで、唸り出した。
智「戻れなくなるって、どういう事?」
翔「あんまり長い時間その姿のままだと」
智「うん?」
翔「体中の細胞がその形を認識しちゃうから、大きくなる薬を飲んだって戻れないかもしれない」
智「え」
固まった。
智「それは、やばい」
翔「でしょ? だから早く薬作らなきゃ」
智「む~...」
悩んでいる場合では無い。
俺は唸る智くんを横目に、注文ボタンをポチッと押した。
智「ああっ」
翔「仕方ないでしょっ」
愕然とする智くんには申し訳ないけど、こうするより他に方法は無いんだ。
翔「そんなに嫌なんだったら、精液くれるの?」
智「やだよ変態っ」
変態とはなんて言い様。
俺は真面目にこの問題に取組んでいるだけなのに。
翔「だったら諦めなさい」
智「ええ~...」
俺だってこの智くんを戻すのは惜しい。
だっていつも俺のポケットに納まって気持ち良さそうにゆらゆらと揺れてるんだ。
ふわふわして気持ちいいんだと、目が虚ろになって。
静かだなと覗いてみれば、幸せそうに眠っているときた。
俺だってこんな毎日楽しくて仕方が無いんだ。
だけど現実を見なきゃ。
俺の胸に納まる智くんを、放ってやらなきゃならないんだ。