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第2章 SO~研究員×小人~逆襲の小人編~
翔「はい」
智「ありがと...」
風呂から出て、出来上がっていた薬を新しいスポイトに入れて渡した。
智「ふぅ...」
緊張しているのか、躊躇っているのか。
吸い込んだ息を静かに吐き出し、その薬を見る。
智「じゃあ、飲むね」
翔「うん」
智「あ」
翔「ん?」
智「レシピ、俺が作ったのと全く一緒なの?」
翔「いや、ちょっと減らしたよ。マカエキスとか多すぎだったし(笑)」
智「ふふっ、やっぱり多かったんだ」
その薬、ゲテモノ系もなんだけど、精がつくのがちょっとねと嫌がっていた。
だから出来るだけ、すっぽんやらマカエキスやらは減らしたんだ。
翔「これくらいの量なら大丈夫だよ。特に身体に変化は無いと思うよ?」
智「そっか。 ありがとね」
翔「どういたしまして(笑)」
元に戻れると言うのに心配するのはそんなところ。
俺ならそんなものは気にせず元に戻してくれと頼むところなのに。
智「じゃあ、今度こそ」
翔「ん。グイッと行けば大丈夫」
智「う、うん」
鼻を摘んで目をぎゅっと閉じた。
そしてスポイトに吸い付くと、一生懸命ちゅっちゅと薬を吸い上げた。
智「ごくり...」
最後の1滴まで吸い上げ、しっかりとその薬を体内に取り込む。
ああ、元に戻ってしまうんだ。
小さな智くんも可愛かったな。
ポケットにしまって、もっと散歩をしておけば良かった。
そして俺の胸で気持ち良さそうにたてるその寝息を、もっと聞いておけば良かった。
智「ん...」
そんな事を思っているうちに、智くんの身体はムクムクと大きくなっていく。
智「あ...」
すっかり大きくなった智くんは裸で。
智「ちょ、タオル」
戻った感激も言わないままに、俺の手からタオルを奪い取った。
智「何見てんだ変態」
翔「ひど」
服を破っちゃうからと、小さなハンカチを纏って薬を飲んだんだ。
でも大きくなったらそのハンカチも解けちゃうからと、俺はタオルを渡された。
そのタオルを奪って素早く腰に巻いた。
くるっと後ろを向いて、俺に変態と言い放ちながら。