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第2章 SO~研究員×小人~逆襲の小人編~



そんなに俺は変態と言うイメージを残してしまったのか。

惜しいな、残念だなと言っていたあの言葉は、やはり俺の自惚れか。


智「翔くん」


腰にタオルを巻き、くるっと俺に振り向いた。


智「ありがとう」

翔「あ...、うん...」


変態と言われたショックに、俺はまだ立ち直れていなかった。


智「ふふ、だからそれやめなって」

翔「え?」

智「肩落とし過ぎだし、眉も下げ過ぎ...」

翔「だって...」


未だ落とした肩は戻らず、自分でも矢印かなと思う程だった。

そんな俺を、ふわっと温かい体温が包む。


翔「え...」

智「それ、弱いんだよ...」

翔「それ...?」

智「下げた眉も、落とした肩も...。そんなの見せられたら、慰めてやりたくなっちゃうでしょ」


ふふっと肩を揺らしながら、俺を柔らかく包むんだ。

小さな智くんの鼓動はあまり聞こえなくて、リカちゃんハウスで眠った智くんの胸をこっそり指で触って確かめた。

だけど今は、そんなのしなくても智くんの鼓動が俺に伝わる。


翔「跳ねてる...?」

智「え?」

翔「智くんの、心臓...」


精のつくものを採って、身体中の血が巡っているのか。
だけどそんなに多くは入れてないし。

だとしたらこの鼓動は?

それとも、この薬が智くんに合わなかったのか?


翔「え...、ひょっとして、苦しい?」


薬が合わなかったんだとしたらどうしよう。
一旦吐かせて休ませるか。


翔「ちょ、1回吐いた方がいいかも。心臓がバクバクしてる」

智「え、待っ」


俺を包む智くんを剥がし、口に指を突っ込もうとした。

その俺の指を、パシッと智くんの手が掴んだ。


智「大丈夫だから」

翔「でも」

智「薬が合わないんじゃないよ」


バタバタともみくちゃになってたから、2人とも床にへたり込んでいた。

タオルを腰に巻いただけの智くんの足の間に絡まり、そのままのスタイルで智くんの話に耳を傾けた。


智「ドキドキしたんだ」


胡座をかくように片足を折り曲げて、両手は後ろについている。
そんな智くんの間に絡まり、俺と智くんは至近距離だ。


智「ドキドキ、しただけだよ…」


唇も、もう少しで触れるんじゃないかという近さまで来ている。


そんな距離で見る智くんは、少し頬が赤かった。






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