His←♥→I
第2章 SO~研究員×小人~逆襲の小人編~
少し恥ずかしそうに頬を赤らめる智くんは凄く色気が出てる。
その表情を目の当たりにして、俺の心臓の方がドキドキしてる筈だ。
翔「智くん...?」
智「よく、わかんないけどね…」
その表情に、どういう事なんだと問こうとした。
だけどそれよりも先に、智くんはドキドキの意味がよくわからないと俺に言う。
智「だけど」
後についた片方の手で俺の後頭部を掴んだ。
そして、顔を少し傾け目を伏せると、僅かにしか離れていなかったその距離を、智くんは更に詰めた。
翔「さと...」
ふわりと、掠るように触れたのは智くんの唇。
その温もりを一旦離し、また口を開く。
智「翔くんの言ってた事、分かった...」
翔「俺が言ってた事...?」
再び、温もりを俺に押し付ける。
智「大きくなって、自分から触れたかったって」
翔「ん...」
話しながらキスをする智くんは、器用に俺の唇を割ってくる。
智「俺も、ずっと思ってたよ」
翔「智く...」
なんだろうあの薬。
小人になる薬じゃなくて、実は惚れ薬なんじゃないか?
そう思う程に、俺を誘う智くんの顔は妖艶で。
よくわからないと、自分の気持ちを言われた事さえ忘れそうだ。
翔「あの量でも、影響あった...?」
それに元に戻る薬。やっぱりこれも、身体をおかしくするのかもしれない。
智「ないよ」
翔「だって...」
智「翔くんだって言ってたじゃん。そんなの飲まなくたって同じだって...」
確かに。
だって俺は、智くんに触れたくてウズウズしてたんだから。
だから俺が言うのは分かるんだ。
翔「だけど智くんは違うでしょ...?」
智「なにが違うの...」
薬の影響なんだったら、このまま手を出すのは悪いかなって。
これ以上変態呼ばわりされたく無かったし。
だから確認したんだ。
翔「だから、気持ちが...」
智「気持ち...?」
漸く離した唇からは、熱い吐息を既に漏らしてる。
智「この音聞いて、わからない...?」
俺の手を掴んで、自分の胸に当てる。
その鼓動は、更に大きく高鳴っていた。