His←♥→I
第2章 SO~研究員×小人~逆襲の小人編~
ぎゅっと苦しくなる胸を掴む様に、俺の手を握る。
智「その気持ちをどう表すのが正しいのかはわからないけど…」
せつなく、眉が歪んでる。
智「そう思ったのは、本当だよ…」
全く、この人は馬鹿だ。
翔「それって、俺の事好きなんじゃないの?」
智「え...?」
こんな至近距離で、胸を激しく高鳴らせているのに。
智「好き...?」
翔「だってそうでしょ。俺と、同じ事思ってる」
唇だって離してから数分経っているのに、その言葉の合間に発する呼吸は甘くて。
翔「俺に、触れたかったんでしょ?」
甘い呼吸は、吐息と言うんだ。
翔「俺と、離れたくないんでしょ?」
その揺れる瞳も、艶めいてキラキラしてる。
翔「それを好きと言わないなら、なんて言うの...」
智「でも俺、この間まで結婚しようとしてたんだよ…?」
翔「そんなの、関係無い」
智くんの胸に添えた手を掴まれてる。
その手をひっくり返し、俺が智くんの手を掴んだ。
翔「ほら、同じでしょ...」
その手を俺の胸に当て、俺の鼓動を智くんに聞かせた。
智「あ...、本当だ...」
その俺の胸に視線を向け、智くんは俺を感じる。
その素直な姿に擽られて、思わず智くんにキスをした。
智「ん...」
触れてしまえば、もう止められない。
智「ふ...、しょ、くん...」
押し付けた俺の唇に促されるままに、智くんは口の筋肉を緩める。
その緩んだ隙間に、俺は安心して入り込むんだ。
智「ん、ぁ...、俺より、凄いよ...」
翔「そんなの、当たり前だよ」
俺の鼓動は益々高鳴る。
それもその筈。
だって智くんが、俺の事を好きかもしれないんだ。
智「脈も、暴れてる...」
俺の胸から手をずらし、俺の首にその手が触れた。
しなやかで、優しい手。
智「こんなの死んじゃうよ...」
こんなにバクバクしてたら死んじゃうと言いながら、智くんは俺の首に顔を埋めた。
柔らかい唇で俺の暴れる脈に触れ、温かい舌でそれをなぞる。
智「あれ...、もっと、酷くなっちゃった…」
甘い吐息を吹き掛けながら、ふふっと笑う。
その熱い吐息のせいで、俺の脈は破裂しそうなんだ。