His←♥→I
第1章 SO~小人×一般人~進撃の小人編~
翔「智くん」
智「あ、起きた? おはよ」
部屋をウロウロする俺に向かって翔が声をかけた。
その翔を振り返ると、翔はベッドの上でタオルにくるまっている。
翔「...俺の服、知らない?」
智「あ、これ?」
翔はオッサンみたいな服を着てた。
昨日出会った時も、夜寝る時も。ずっと同じのを着てたんだ。
智「てかなんで裸だったの?」
翔「え...、ああ、またやったのか」
智「また?」
翔「寝相悪いんだよね...」
暑いと寝てる間にいつの間にか服を脱いでしまうらしい。
そんなヘンな寝相のせいで、朝、俺の隣にひっくり返った素っ裸の翔がいたという訳か。
翔「...何してるの?」
智「乾かしてるの」
脱ぎ散らかしてあった服は、汗で湿ってた。
そういえば昨日も凄い汗をかいていたなと思い出し、小さな服を洗ってドライヤーを当てていたんだ。
智「はい。できたよ」
翔「洗ってくれたの? ありがとう...」
智「ふふ。どういたしまして」
タオルに包まって、ひな人形の様になりながら翔は礼を言う。
そんな翔は、俺から服を受け取ると背を向けて着替え始めた。
智「そのちっさい服どうしたの? 体と一緒に縮んじゃったの?」
翔「んなバカな」
コイツはちょいちょい俺を馬鹿にする。
礼儀正しく手を合わせたりきちんと礼を言ったりするにも関わらず、だ。
翔「リカちゃんのパパの服だよ」
智「へ」
パパの服? どうりでオッサン臭い訳だ。
智「翔くん... リカちゃんで遊んでるの?」
翔「っ、な、訳ななないでしょっ!」
むちゃくちゃあせったな。
翔「こんくらいのサイズ感にしようと思って、昔妹が遊んでたヤツを拝借しただけだよっ」
リカちゃんサイズの翔は、顔の前で手をぶんぶん振りながら弁解する。
だけどその焦りようはとてもおかしくて、本当にリカちゃんで遊んでるんじゃないかと疑える程だった。
智「そっか(笑)」
翔「ちょ、信じてよっ」
智「信じてるよ...っ、ぷぷ」
顔を真っ赤にしながら怒る翔がおかしくて、俺は笑いを隠せなくなってしまうんだ。