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第2章 SO~研究員×小人~逆襲の小人編~



俺の部屋は汚い。
いや、汚い訳じゃない。散らかってるだけだ。

だけど、智くんに何かぶつかって傷をつけてしまったら大変と、俺は床に張り付けた智くんを抱え上げた。


智「わ」

翔「じっとして」


急に宙に浮いた智くんは、驚いて俺をガシッと掴んだ。
だから俺は、腕の中で安定した智くんに余裕の笑みを放ちベッドルームへと移動を始めた。


智「ちょ、それなに」

翔「ん? やっぱこれ無いと」


その途中、冷蔵庫に立ち寄り小瓶を手に取る。
実験で使おうと思っていたポリアクリル酸ナトリウムだ。
分量を間違えて、大量に水に溶かしてしまったものを保存していたんだ。

小瓶を咥え、両手に智くんを抱き、踵でバタンと冷蔵庫の扉を閉める。

そしてベッドに辿り着くと、智くんをベッドにドサッと落とした。


智「っ」


息をつく暇なんて与えてやらない。


智「しょ...」


油断したら、上を取られ兼ねないから。


智「...っ」


落とした智くんの上に跨がろうとして、俺の熱が智くんの熱に触れた。
すると、智くんはピクッと身体を震わせたんだ。


翔「...敏感になってる?」

智「そ、そんなんじゃ...」


少し焦って返答する。
そんな智くんは、俺が組み敷いただけで降参したようにも見えた。


翔「智くんも、我慢してたんだ...?」

智「っ、あ」


そっとその熱に手を触れてやると、また身体を震わせる。


智「ん、ふ」


撫でてやると、恥ずかしそうに顔を逸らして腕で顔を隠すんだ。


翔「だから隠さないで...」


俺はその顔が見たいんだよ。

俺に魘されてせつない顔をするその表情が、見たいんだ。


智「ん、翔...」


その腕を解くと、思わず柔らかい唇に吸い込まれる。


智「んぁ...」


俺がキスを仕掛けたようでいて、実際は智くんに導かれてるんだ。


智「ふ...」


まるで無抵抗だとでも言う様な顔をして。



その甘い吐息で俺を操ってるんだろ?







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