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涙が出そうになるくらいに。

第2章 決意と覚悟

「へ?」

思わず間抜けな声が出てしまい思わず口を押さえる。

くすりとその人は笑いながら、

「私、お友達ができたことがないの。この家は町の中心地からかなり離れているから…だからずっと話し相手が欲しかったのよ?」

そうなんだ…。
私は奥にある窓の外に目を向けた。
よーく見てもあるのは木とか草とかで、自然ばかりだ。これだけでもここが都会ではないことがよくわかった。

「でも、それだけでいいんですか…?もっと他にも私にできることはないでしょうか?」

私がそう言うと、そうねぇ…と首を傾げながら女の人は考え始めた。

そういえはこの人の名前を私は知らない。

「あ!そうだわ!私のお仕事のお手伝いをおねがいしてもいいかしら?」

お仕事…私とそう年も変わらないのに凄いな…。
私は頷き、こう尋ねた。

「あの、お名前はなんていうのですか…?」

彼女は笑顔でこう言った。

「私の名前は、アリス」

よろしくね?と手を握られびっくりしてしまう。

「アリスさん...ですね!宜しくお願いします!」

私も一生懸命の笑顔で返した。

「あなたの名前も聞いてなかったわ」

「あ!すみません...私はユメといいます!」

自分が名乗っていなかったことに気付き、焦って自分の名前を言う。

母がΩとして産まれ出来てしまった私に夢をもって生きることができるようにとつけてくれた名前だ。

大切な大切な名前。

「素敵な名前ね...。」

アリスさんは笑顔や仕草、全てに華がありとても綺麗な人。

なんだか憧れてしまうな...。

「あ!そうだわ!!!この白いワンピースだけじゃせっかくの可愛い顔が台無しね!」

急に立ち上がるとアリスさんは、まってて!と部屋を大急ぎで出ていってしまった。

なんだかほんとに目の離せない人

「ふふっ」

思わず頬が緩む。
あ、私自然に笑えてた。

変なの。


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