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涙が出そうになるくらいに。

第2章 決意と覚悟

アリスさんはすぐに部屋に戻ってきた。
しかし、アリスさんの手にある洋服に私は唖然としてしまった。

すっごいひらひらなんですけど...。

「はい!せっかく可愛いんだからこれくらい着なきゃね!」

楽しそうなアリスさんに負けて、私はその洋服を受け取った。

「あ、ありがとうございます...でも...その...こんなひらひら...私には...」

手に持って更に実感する、レースの触り心地とかふわふわのスカートとか、どうしても緊張してしまう。

「きっと似合うわ…大丈夫」

優しく微笑まれ、頷くしかなかった。

「はい!じゃあ着てみて着てみて!ほら!」

手をひらひらさせながら急かすものの、アリスさんは部屋を出て行こうとはしない。

「えっと…着ます…着ますから…その…アリスさん?」

え、これはどういうことなのだろうか…

「え、女の子同士よ…?気にしなーい気にしないっ!」

にこやかに笑って本当に楽しそう…

もしかして…遊ばれてる…?

「あ、あの…」

「ほら!!」

あーだめだ…私にはもう拒否権はない。

渋々ワンピースに手を掛けた。

ずっと一緒だったワンピース。お母さんが縫ってくれたもの。こんなに汚くしちゃって…ずっと着てたからなぁ…。

「んっ…」

ぐっ…と手を上げてワンピースを頭から脱ぐ。
万歳の状態になってもぞもぞやっていると、

「ふふっ ほら手伝ってあげるわ」

とアリスさんが私の頭に触れた。

ドキッ…

思わず跳ねる心臓にびっくりしながらも、ありがとうございます。と助けてもらう。

ワンピースが脱げると、私の裸が露わになって恥ずかしくなり手で隠しながら、もらった洋服を着ようとする。

でも中々うまくいかなくて悪戦苦闘…。

「ブラジャーつけてないのね…」

唐突にアリスさんに言われ、ひゃいっ!?っと変な声が出てしまい、思わず口を押さえる。

お金のない貧しい暮らしで、パンツしか履いてなかった私は恥ずかしさのあまり布団に潜り込む。

「あらあら逃げないの」

うふふっと笑いながら布団の上からこちょこちょされて、たまらなく笑ってしまう。

「きゃっ…うっははははっ…やっ!!やめて…!くださぁああいっ!!」

「ふうっこんなものかしら?」

やりきった表情のアリスさん。

「も、もう耐えられな…い…ですっ…はぁっ」

こんな人だったっけ!?

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