続・あなたの色に染められて
第7章 キズナ
『どうした?』
いつものように寝室でジャケットを脱ぐと璃子は背中に抱きついてきた。
『珍しいな。』
頬をすり寄せ大きく息を吸い込む仕草はまるで俺を確かめているかのよう
廻された小さな手を包み込むように添えると指を絡めてきた。
『兄貴ん家で何かあったか?』
そう背中に問いかけても背中越しに首を振るから
『はい こっち。』
クルリと体を回して俺の胸に頬を埋めさせた。
寂しげな表情をしていなければいいと思いながら視線を落とすと
『どうした?熱でもあんのか?』
口にグッと力をいれて頬をピンク色に染めて俺を見上げ ブンブンと頭を振ると今度は大きく深呼吸して
『…あの…お風呂一緒に入りませんか?』
『…は?』
今コイツ何て言った?
『…ふ…風呂?』
いや待てよ…今までコイツから誘われたことなんてあったか?
『やっぱり体調悪いのか?』
『ち…違いますよ!』
丸みを帯びた額と俺の額に交互に手を添えて
『うん…ねぇな。』
でもピンク色だった頬はさっきよりも赤く染まり
『別にイヤなら…。』
大きな瞳だってあっちこっちに動かして
『イヤなわけ…ない。』
らしくねぇ…マジらしくねぇんだけど…
『…キャッ!』
せっかくのお誘いを断るほど俺は冷たい男じゃない
『ほら暴れんな。』
だからコイツの気が変わる前に抱き上げて
『な~にしようかなぁ。』
『…ちょっ…お風呂入るだけですよ!』
『ハイハイ 入るだけですねぇ。』
なんて…そんなわけねぇだろ
『はいバンザイ。』
『一人で脱げますから!』
『あれ?璃子ちゃん…バンザイは?』
『もぉ~!』
誘ったのには理由があるだろうって思っていた。
でも 体中を真っ赤に染めながらも素直に手を挙げるおまえの瞳は微笑んでいて
『俺のも脱がしてよ。』
コクリと頷くとYシャツのボタンに手を掛け一つ一つ丁寧に外す。
そんなコイツを見下ろせば 微かに頬が緩んでいて
『まだ?』
『待って…あと一つ。』
すげぇ愛らしいんだけど焦れったいから背中にそっと手を回して
…プチッ
『キャッ!…ちょっと!』
ピンク色のブラをスルッと肩から下ろし
『風呂入るんだろ?』
隠すためにとっさに抱きついてきた璃子を引き離して
『入るぞ。』
ホント 風呂入るまでに何分かかってんだっつうの…