続・あなたの色に染められて
第8章 1th Anniversary
『今日はずいぶんと素直だな。』
湯船の中でキスを求めてしまった私は今 彼の膝の上に跨がって向き合っている。
『あんまり見ないで…。』
『それは無理だろ。』
彼の大きな手が太ももから体のラインを確かめるようにゆっくりと這い上がると下腹部は自然と熱を持ちいつものように疼き始める。
京介さんはそんな私を射抜くような瞳で見つめ長い指で私の唇をなぞるから
『キス…』
その瞳に惑わされたのか…魔法をかけられたのか
『…して。』
彼の濡れた髪を梳すように撫でながら心の声を唇にのせた。
すると京介さんは私の後頭部に手を添えて
『したいならおまえから来いよ。』
少しだけ顎を突き出してニヤリと笑う。
いつも彼任せな夜
でも 今日は彼の気持ちに応えたい
京介さんの頬に手を添えてゆっくりと触れる唇
『…京介。』
たくさんの愛をありがとうって
『…んっ。』
愛してるよって
『…璃子。』
体全部で表したい。
そんな思いを込めて重ねたのに 意地悪な京介さんは
『ヤりたいの?』
だなんて…ストレートすぎる彼の言葉に私は俯くはめになる。
でも、言葉にしないと気持ちは伝わらないから
『したい…です。』
やっと振り絞った言葉、聞こえたかな…
俯いたまま視線を上げるとニヤリと笑う京介さんがそこにいて
『言ったな?』
『え…ちょっ!』
ザバーンッ!
抱き上げられたと思ったら浴槽の縁に座らされ
『…待って。』
私の膝に手を添えながら
『待つわけねぇだろ。』
戸惑う隙も与えてもらえずに開かれた私の膝
『待っ…アッ…』
間髪入れずに顔を埋め
『…ダメ。』
一番弱いところを京介さんの長い舌がゆっくりと動き始めると私の体は小刻みに震えだす。
『ダメじゃないだろ。もっとよく見せてよ。』
『ヤダ…やめ…て…』
今度は足首を持たれ浴槽の縁に置かれて
『電気消さなきゃよかったな。』
『…恥ずかしいよ…んあっ。』
愛しい人の前ですべてをさらけ出す。
さっきよりも開いた足のせいなのか 京介さんの舌の感触がダイレクトに伝わって
『すげぇ溢れてきた。』
『…やめて』
いつもより早く頂が見え始める。
バスルームに響くのは無機質なジャグジーの音と私を愛する彼の水音
そして…
『…京介…イッ…チャ…ァ…』
だらしない私の声だった。