続・あなたの色に染められて
第8章 1th Anniversary
『早く来いよ。』
冷蔵庫からミネラルウォーターを取り出してゆっくりと一口飲む私
キングサイズのベッドの脇に京介さんは腰を掛け夜景を眺めていた。
『早く。』
ベッドをパンパンと叩いてこっちに来いと催促されたって
『…うん。』
いつも見ている姿なのに真っ白なバスローブを羽織ったその姿がとても艶っぽくて躊躇してしまう。
『…璃子。』
たった4、5歩の距離
『はぃ…』
すべてをさらけ出している私は今さら恥ずかしがることもないのにね
『おいで。』
差し出された手を握ると
『はぃ…』
愛しい人に愛してもらてる
『璃子にはこのバスローブはデカいな。』
ベッドに座る彼の前に立つと両手を絡めながら優しく微笑む。
『また子供扱いする。』
私だって気づいてたよ
指先しかバスローブから出てないって
『してねぇよ。』
首筋に大きな手を添えるとそっと引き寄せられ唇が微かに触れるその距離で
『俺にはすげぇ色っぽく見えるけど。』
『…んっ。』
彼の長い舌で輪郭をなぞるように唇を舐められる。
それは始まりの合図
シュッとバスローブの紐を解くと
『…カーテン。』
『閉めないよ。』
『…え』
真っ暗なこの部屋に届くのは月の明かりと どこまでも続く電飾の輝き
『璃子…キレイだよ。』
その輝きのなか 着る必要がないと言われたバスローブは彼の言うとおりあっという間に床に落とされ
『誰かに見られたら…』
ゆっくりとベッドに寝かされると京介さんはまだ乾いていない私の髪を撫で
『いいんだよ。見せつけるから。』
私の唇にキスを落とした。
『今日は優しくするから。』
『ウソ…さっきは意地悪だったもん。』
そんなこと言いながらも私の腕は自然と彼の首に添えられて
『璃子…愛してるよ。』
『私も…京介さん。』
重なる唇にお互いの気持ちを乗せる。
『ベロ…上手に出せるようになったな。』
この一年たくさん京介さんに愛されたこの体は 唇が重なれば何を求めているのか自然とわかるようになった。
『そんな顔するなよ。』
どんな顔してあなたを見つめてる?
『優しくできなくなるだろ?』
『いいよ。京介さんの好きにして…』
『っとに…おまえは。』
彼色にまだまだ染まり続ける私はこの先何色に染まるのだろう。