続・あなたの色に染められて
第8章 1th Anniversary
ビクつく体を抱き上げるとゴクリとのどを鳴らし潤んだ大きな瞳を俺に向けた。
『ゴメン…優しくするって言ったよな。』
コイツの体は不思議な体だ
何度抱いても飽きるどころかもっと触れたくなる。
璃子の柔らかな唇を啄むように何度も味わうと
『京介…』
『ん?』
華奢な腕を俺の背中に回してこれまた素直に
『早く…欲しぃ…』
そっと背を浮かせ唇を重ねてくる。
『言ったな?』
…おまえは本当に俺を煽る天才だ
璃子のリクエストに応えるように自身に手を添えて
『もう少し腰上げろ。』
『…あっ…』
繋がれば体を震わせて白い喉元をさらけ出し天を仰ぐ
『指よりこっちの方がいいもんな。』
首を縦に小さく振るとハニカミながら吐息混じりの小さな声で
『赤ちゃん…出来るといいな。』
『璃子…』
俺は背を反らし璃子の瞳を見つめた。
**
え…なに…
体内に彼を迎え入れたのに 私の胸は小さな音を立てた。
それは彼の瞳が一瞬で寂しげな色に染まったから
京介さんは私の髪を梳すように優しく撫でると掠れた声で
『おまえは赤ちゃんを作るために俺に抱かれてんの?』
『…え』
小さな溜め息を吐くと私を抱き寄せて
『俺は赤ちゃんを作るためにおまえを抱いてるんじゃないぜ。』
言い聞かせるように
『おまえを愛してるから抱くんだ。』
言葉を紡いでくれた。
『京介…』
いつからか彼に抱かれること=赤ちゃんという方程式を勝手に作り上げていた。
『結婚して完璧に俺のモノになったのにどんなにおまえを抱いても触れたくて…欲しくて堪らない。』
抱きしめてくれている逞しい腕にグッと力が入る
『俺が愛しぬいた証がおまえの腹に宿る。だから…宿らないのはまだまだ愛し足りない俺のせいだろ。』
『それは違う!』
こんなにも想ってくれているのに
『そうなんだよ…簡単に命は宿らないんだ。』
『京介さ…』
止めどなく溢れてくる涙を京介さんは拭ってくれる
『璃子…』
優しく私の名前を呼んで私の頬に両手を添えて
『これから先も俺はおまえのことを一番に愛す。だからおまえは俺の胸で甘えてろ。』
『はぃ…』
瞳が重なるとニコリと微笑んで
『愛してる…』
その言葉と共に彼の律動が再開される。
『私もだよ…』
その想いに応えるように私は京介さんにキスをした。