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続・あなたの色に染められて

第9章 Present from God


『おまえも親父になるのかぁ。』

『俺もまだ信じらんないっすよ。』

いつもの居酒屋を貸し切って毎年恒例の球納めの後の大忘年会

璃子ちゃんは青白い顔をしながらも参加したいと魔女たちのテーブルでオレンジジュースを飲んでいた。

『璃子ちゃんもこれで一安心ですね。』

『あぁ アイツずっと悩んでたから少し肩の荷が下りただろ。』

責任感の強い璃子ちゃんは結婚してからずっと跡取りを産まなきゃと悩んでいた

だから ずっと相談に乗っていた美紀はまるで自分のことのように興奮してたよな

それは俺らも一緒

魔女たちの提案する急なサプライズに二つ返事で乗っかった。

京介さんがマウンドで璃子ちゃんを抱きしめた瞬間 俺たち柄にもなく目頭が熱くしたっけ

『で、京介はどっちがいいの?』

『は?』

『やっぱり跡取りのこと考えると男?』

そうそう 出来たと分かれば聞いてみたい。野球を教えたいからって男の子がほしいって言ってたよな。

でも

『どっちだっていいよ。』

なんて 一丁前に目を細めて親父面しちゃってさ

こりゃ 先が思いやられるわ

『でもこれからは少し我慢だぞ。』

『我慢?』

『産まれたら璃子ちゃんのこと独占出来なくなるぜ?』

『そうだぜ。夜だって腹にいるとなると今まで通りにはいかないよ?』

『は?…妊娠しててもヤれるの?』

『ヤるだろ普通。』

『オレもヤってました。』

そうか…これからは先に親になった俺らが京介さんの師匠になるわけだ。

『だってその…挿れたら届かねぇ?』

『届かねぇよ。おまえどんだけデカいんだよ。』

その姿が新鮮だった。

俺はいつだって京介さんの背中を追いかけてきたんだ。

それが今 京介さんは前のめりになりながら必死に俺たちの講義を受けていて

『いやだって…奥に当たるっていうか…赤ちゃん出てきたりしねぇの?』

この話は夫婦にとって大切なことだけど そんなに真顔で聞くこともないだろって

『だから浅くインして早めにフィニッシュだよ。』

『浅くインして早めにフィニッシュ…』

〆はやっばり俺らの大師匠である長谷川さん

『それが嫌なら口でヤってもらえ。』

『…いや それは…』

これから璃子ちゃんのお腹はどんどん大きくなる。

『さすがにさせられねぇよ。』

きっと京介さんは今よりもっと過保護になって行くんだろうな。

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